「Jimang Shot」|じまんぐ氏の独創的なアレンジと「胡散臭さ」

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「ネクロファンタジア」ボーカルアレンジ厳選まとめ Vol.12

今回のネクロファンタジアのボーカルアレンジ特集では、「Jimang Shot」という楽曲をご紹介したい。じまんぐ氏によるこの曲は、ネクロファンタジアアレンジとしてはそこまで知名度が高いものではないかもしれないものの、一聴の価値があるユニークな楽曲だ。曲名に自らの名前を冠したアレンジ楽曲など、なかなか目にすることはないだろう。

Jimang Shot

「Jimang Shot」とは、じまんぐ氏によるネクロファンタジアボーカルアレンジ屈指の迷曲(褒め言葉です)である。この曲は、東方オンリーイベントである博麗神社例大祭のために「博麗神社社務所」が制作した、例大祭公式コンピレーション・アレンジCD「流麗祭彩」に収録されたものだ。2009年に開催された第6回博麗神社例大祭で頒布された。その後、JIMANGのベストアルバムにも収録され、チュウニズムやmaimaiといった音ゲーでも遊ぶことができるようになった。

音楽界に一石を投じる異色の存在、それがじまんぐ(JIMANG)氏である。長崎県佐世保市出身の彼は、上京後に音楽活動を本格化させ、2006年にはベルウッド・レコードからメジャーデビューする。以降、数々のアルバムやシングルをリリースしてきた。ソロでのヒット曲である「la divina tragedia 〜魔曲〜」は、アニメ「うみねこのなく頃に」のエンディングテーマとして広く知られている。

じまんぐ氏はラジオパーソナリティとしても活躍しており、幅広い才能を持つアーティストとして知られている。その音楽性は、ジャズやロック、ポップスなど多彩なジャンルを取り入れたオリジナリティ溢れるものであり、歌詞もまた独特の世界観とユーモアが満ちている。また、メジャーデビュー前だったSound Horizonをサポートメンバーとして支えるなど、他アーティストへの協力や楽曲提供でも有名だ。ジマエモン名義でSKE48やHKT48に楽曲提供を行ったこともある。じまんぐ氏は、胡散臭い(褒め言葉です)というキャラクターでも知られるが、それはSound Horizonの楽曲「魔法使いサラバント」で「胡散臭い髭の男」を演じたことがきっかけとされる。以降、「じまんぐ氏は胡散臭い」という公式の代名詞が、ファンの間で笑いを誘うお約束の一つとなった。

「Jimang Shot」は、ネクロファンタジアを原曲とする、アニソン調とも往年のポップス調とも感じられる、どこかのらりくらりとした曲調が独特なアレンジ楽曲である。ニコニコ動画にアップされた動画には「胡散臭さの二乗倍」というタグが付けられていたのが面白かったのだが、なんとも言い得て妙といったところだ。

八雲紫は、ZUN氏から「おまけ.txt」などで「胡散臭い」と何度か言及されており、同じく「胡散臭い」キャラクターであるじまんぐ氏との組み合わせは、どこか胡散臭い曲調や捉えどころのない歌詞とも相まって、まさに二乗倍の胡散臭さを感じることができるだろう。しかし、曲は普通に格好良く、じまんぐ氏の安定感のありすぎる高い歌唱力や、勢いのある楽器隊とテクニカルなギターソロなど、実は聴き所も多いというのがまたギャップがあって面白い。

以上が「Jimang Shot」についての紹介となる。こちらのライブ映像をご紹介して記事を締めくくりたい。じまんぐ氏のアレンジがネクロファンタジアの原曲とどのように融合し、どのような魅力を放つのか、ぜひ一聴してみていただきたい。