【Amateras Records】Luv For U|フランの孤独、愛への希望と切なさ

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「U.N.オーエンは彼女なのか?」ボーカルアレンジ厳選まとめ Vol.4

フランドール・スカーレットのテーマ曲であり、神秘に包まれた伝説的な原曲「U.N.オーエンは彼女なのか?」。数多く存在するそのボーカルアレンジの中から、今回はAmateras Recordsの「Luv For U」を取り上げたい。

Luv For U

Amateras Recordsは、Tracy氏が主宰する音楽サークルで、主にトランスやダンスミュージックといったジャンルのアレンジを手掛けている。「Luv For U」は、2013年に頒布された「Radical Destruction」というアルバムからリリースされ、その後ベストアルバムにも収録された。Tracy氏がアレンジを担当し、海兎氏が作詞、そしてヲタみん氏が歌唱を手掛けている。

Amateras Recordsの特徴である、シンセサイザーが紡ぎ出す魅惑的な旋律と、トランス特有のリズムとメロディの反復という要素が盛り込まれている一方で、感傷的な歌詞や楽曲の雰囲気から、ややバラード的なエッセンスも感じられる。Amateras Recordsの楽曲は原曲のメロディを歌わせることが多い傾向にあるが、「Luv For U」ではやや珍しく、原曲のフレーズを裏メロディとして使用する独特な手法が取られている。

ヲタみん氏は、KUMIという別名義でも活動する、歌ってみた界隈出身の歌手だ。2008年に動画投稿サイトへ初めて動画を投稿して以来、10年以上にわたって活動している。艷やかでパワフルな歌声が特徴的で、「Luv For U」でもその威力が遺憾なく発揮されている。

作詞を担当した海兎氏は、EastNewSoundをはじめとする数多くの著名な東方アレンジサークルとの関わりがある実力派だ。「Luv For U」の歌詞は、「コワシテ」「ギュッとしたら サヨナラしたくなる」などのインパクトあるフレーズから、フランドール・スカーレットの内面的な葛藤が描かれていることが考察できる。深い孤独感、愛への希望と切なさというテーマが曲名に繋がってくるのだろう。

切なくも力強い歌詞、それを彩る革新的なトランスのハーモニー、そしてヲタみん氏の艷やかな歌声が見事に融合したこの楽曲。それぞれが個性的でありながらも、一つの楽曲としてまとまり、リスナーの心に深く響く表現を生み出しているのだ。

「Luv For U」は、Amateras RecordsのTracy氏独特の音楽性、海兎氏の詩的な歌詞、そしてヲタみん氏の感情豊かな歌唱が見事に調和した素晴らしい楽曲だ。まだ聴いたことのない方も、すでにお聴きの方も、この機会にその魅力を再発見してみてはいかがだろうか。