「亡き王女の為のセプテット」ボーカルアレンジ厳選まとめ Vol.2
「亡き王女の為のセプテット」のボーカルアレンジ特集、第2回目をお届け!今回ご紹介するのは、TAMUSICの「ScarletNight」だ。
ScarletNight
「ScarletNight」は、2011年にリリースされたアルバム「東方弦奏歌-KATANA-」に収録された「亡き王女の為のセプテット」ボーカルアレンジだ。琉姫アルナ氏とTAM氏がアレンジし、℃iel氏が作詞とボーカルを担当した楽曲だ。この曲の魅力について、関係者のご紹介とともに解説していきたい。
琉姫アルナ氏とTAM氏は、共同でこの曲のアレンジを担当している。琉姫アルナ氏はデジタルサウンドを得意とするコンポーザーで、作詞やデザインも手掛ける。主にオリジナル曲の制作を行う音楽プロデュースユニット「LC:AZE」で楽曲制作を行っており、のちにTAM氏とともに音楽制作団体「ALVINE」を設立した。ALVINEでは商業ゲームへの楽曲提供中心に多数の楽曲をリリースしているが、諸般の事情から現在は活動停止となっており、「ALNEAR」と改名した琉姫アルナ氏が個人で活動している。TAM氏はTAMUSIC(タムシック)の主宰で、ヴァイオリンの演奏を得意としている。ニコニコ動画の「演奏してみた」動画や路上ライブから有名になった。TAMUSICは、東方ProjectやKey作品などアニメ・ゲームの二次創作同人CDの制作や動画投稿、ライブイベントなどを行うサークルだ。
℃iel氏は「歌ってみた」界隈で活躍していた女性ボーカリストで、シエルと読む。ニコニコ動画上での活動初期から東方アレンジのカバーを行っていたが、それ以外にもジャンルを問わず様々な楽曲を歌っている。その頃から多数のサークルでゲストボーカルとして招かれており、他のサークルの作品で名前を目にした方も多いのではないだろうか。2015年より「青砥 雫」と改名し、近年でもサークル「MISTY RAIN」などで東方アレンジを歌っている。
この曲は、TAMUSICらしいヴァイオリンとピアノを主体としたイントロから始まるが、シンセサイザーやエレキギターを取り入れるなど聴き応えのあるアレンジとなっている。琉姫アルナ氏が得意とするデジタルサウンドが取り入れられており、TAM氏と琉姫アルナ氏のコンビネーションが光る作品だ。ヴァイオリンやシンセが重要な楽曲ではあるのだが、エレキギターも注目したいポイントだ。曲中には長めのギターソロも展開され、TAMUSICからリリースされる楽曲としてはロック色が強めのアレンジとなっている。ヴァイオリンと電子音、そしてエレキギターの融合が印象的で、そこに℃iel氏の透き通るような歌声が美しく響く。
このように、この曲はTAMUSICの東方アレンジの中でも特徴的な一曲なのだが、他にも多くの名曲を生み出しているためか、やや埋もれている印象がある。TAM氏のヴァイオリン演奏のファンはもちろん、「亡き王女の為のセプテット」が好きな方におすすめの一曲だ。各種サブスクリプションサービスにも対応しているので、ぜひ一度聴いてみてほしい。