「ネクロファンタジア」ボーカルアレンジ厳選まとめ Vol.4
「ネクロファンタジア」のボーカルアレンジを紹介する連載、4回目。引き続き、各種サブスクリプションサービスで手軽に楽しめる優れたアレンジを厳選して紹介していくぞ。
終わる現実と、遥か後方の
「終わる現実と、遥か後方の」は、秀三氏が歌唱・作詞を手がける石鹸屋の楽曲である。繊細な演奏と秀三氏のエモい歌声は、聴く者の心を魅了する。楽曲を通して、独特な疾走感と切なさが見事に融合しており、おしゃれで洗練された雰囲気を醸し出す間奏のフレーズは、個人的お気に入り。
この楽曲はネクロファンタジアを原曲としているが、フレーズは自然に改変され、原曲とはだいぶ印象の異なる切ない雰囲気に仕上がっている。しかし、原曲要素が薄くなっているわけではなく、ネクロファンタジアらしさはしっかりと保たれている。原曲メロディを大切にする秀三氏のアレンジセンスによるものだろう。
この楽曲の特徴として、聴く者の心に深く染み入る物悲しさが挙げられる。眠る前に聴くと余韻が残り続け、寝付けなくなることも。現実から遠く離れた非日常の世界へと誘われるような感覚を味わうことができる。
静かなイントロに始まり、秀三氏の感情豊かな歌声、スタイリッシュな間奏のフレーズ、そしてネクロファンタジアを原曲としながらも独自の切なさを持つ疾走感が見事に組み合わさった「終わる現実と、遥か後方の」。この楽曲は、心に響く物悲しさを際立たせながらも、原曲の美しいメロディーに新たな魅力を加え、リスナーに印象深い音楽体験を提供してくれる、東方アレンジならではの名曲である。