Liz Triangleの名曲「Phantasmagoria」を紹介|歌詞の意味も考察

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「ネクロファンタジア」ボーカルアレンジ厳選まとめ Vol.11

「ネクロファンタジア」のボーカルアレンジ特集、第11回目をお届けします!今回は、Liz Triangleの「Phantasmagoria」をご紹介したい。Liz Triangleは、東方アレンジの世界で名高い音楽ユニットで、東方アレンジだいすきクラブでも以前に1曲取り上げているぞ。

Phantasmagoria

Liz Triangleは、森羅万象のkaztora氏とlily-an氏を中心とした音楽ユニットだ。かつては森羅万象から派生した後継サークルとしてスタートしたのだが、その後、森羅万象の活動再開により、姉妹サークル的な存在となった。

「Phantasmagoria」は、2010年にリリースされたアルバム「B1」に収録されている。このアルバムは多くの人気曲が収録されており、Liz Triangleの中でも評価が高いアルバムの1つ。

この曲は、lily-an氏がボーカルを担当し、kaztora氏とeba氏がアレンジを手がけている。アレンジには「ネクロファンタジア」に加えて「少女幻葬 ~ Necro Fantasy」のフレーズも使用されている。切なげなピアノとストリングスによる静かなプリイントロから始まるが、直後のイントロではクールなギターサウンドが全面に押し出され、ロック調の楽曲へと展開する。

原曲のメロディを直感的に取り入れ、ネクロファンタジアアレンジらしい構成となっている。2番Aメロでは、1番Aメロから派生したギターリフが変化するなど、楽曲の構成は王道的ながらも印象に残りやすい。楽曲中盤のギターソロのフレーズもテクニカルで、ロック調のクールな雰囲気を印象付けている。さらに、アウトロの後にプリイントロに戻るという、通常はあまり見かけない構成も特徴的だ。(聞いたことがない用語だが、プリアウトロとでも呼べばいいのだろうか。)

この楽曲において、「桜」は始まりと終わり、美しさと儚さの象徴として重要な役割を果たしている。「死せる者を呼び寄せる桜」「死せる者を呼びかける」といったフレーズは、生と死の間の境界や生者と死者の間のつながりを象徴している。この「桜」を通じて、「西行寺幽々子」との深い絆や出会いと別れ、すれ違いを八雲紫視点で描いていることがほのめかされている。「名前を教えて?」という問いかけは、生前の幽々子との思い出からの決別と、死後に別人格となった幽々子と向き合う一歩を象徴しているのではないだろうか。「Phantasmagoria」という単語は、次々と移り変わる幻想を指し、走馬灯のような意味合いがあるとのこと。これは八雲紫の中の思い出や葛藤を表現したタイトルかもしれない。そう考えると、この楽曲は非常に感動的だ。

この曲は、人気アルバム「B1」のフィナーレを飾る楽曲として存在感は強いものの、他の楽曲の知名度が高いため、やや埋もれがちだ。この機会に是非「Phantasmagoria」を聴いていただきたい。その美しい歌唱と感動的な歌詞に耳を傾け、Liz Triangleの音楽の魔法に酔いしれてほしい。