豚乙女の「東の国のワルツ」をMVとともに紹介|青少年豚合唱団とは何者?

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「ネクロファンタジア」ボーカルアレンジ厳選まとめ Vol.10

「ネクロファンタジア」のボーカルアレンジ特集、第10回目をお届けする。今回は、いまや東方アレンジ界を代表する音楽ユニットのひとつにまで成長した、豚乙女(Butaotome)の「東の国のワルツ」をご紹介。豚乙女は、その多彩な音楽活動や個性的なメンバー構成で広く知られている存在だ。

東の国のワルツ

豚乙女は2009年に結成され、東方アレンジ楽曲の他にもオリジナル楽曲を積極的に制作し、幅広い音楽活動を展開している。メンバーはランコ氏(歌唱と作詞を担当するフロントマン)、コンプ氏(ベースやギターなどの演奏、作詞、作曲、各種エンジニアリングなど幅広いスキルを持つ)、ランコの姉氏(作詞やアートワークを手掛ける)、パプリカ氏(編曲やピアノ演奏を担当)から成り立っている。ランコの姉氏はランコ氏の実姉だ。

豚乙女は2017年にEP「フルボッコ」でavex traxよりメジャーデビューを果たす。その後2020年には、パプリカ氏が海外移住のため脱退。同年4月にTwitterでその旨を報告した。3名になった後も変わらず、現在まで様々な活動を精力的に行っている。

今回紹介する「東の国のワルツ」は、2010年に頒布されたアルバム「幻想ホモ・ルーデンス」に収録されている楽曲。この曲ではコンプ氏がアレンジを担当し、ランコ氏が歌唱、ランコの姉氏が作詞を手掛けている。ワルツという曲名の通り、ゆったりとした優しい雰囲気となっている。ネクロファンタジアアレンジとしては非常に珍しい三拍子のリズムが特徴だ。印象的なトレモロ奏法のイントロから始まるこの楽曲は、同時期にリリースされた「べろべろべ」と同様に、おそらくマンドリンで演奏されていると思われる。

また、この楽曲には素晴らしいミュージックビデオが存在する。アルバムのリリースと同時期にニコニコ動画に投稿されたこのビデオは、ランコの姉氏自らが制作したストップモーションアニメで、粘土で人形を作るなど非常に凝った作りになっている。冒頭にはボーカルとしてランコ氏と「青少年豚合唱団」の名前がクレジットされているのだが、ブログによれば青少年豚合唱団はジョークで、架空の合唱団とのこと。実際にはパプリカ氏を除く豚乙女メンバー全員でコーラスを歌っているそうだ。

上記のクレジット表記を含めて、映像は全体的に某教育番組のような雰囲気を持っており、楽曲自体も番組で使用されても違和感のない仕上がりとなっている。ニコニコ動画上についていた「みんなのぶた」というコメントが面白かった。

以上、今回は豚乙女の「東の国のワルツ」をご紹介した。この楽曲は、数あるネクロファンタジアアレンジの中でも独自の雰囲気を持つ一曲だ。優雅で切ないメロディーと歌詞に心を揺さぶられる方も多いことだろう。是非この機会に「東の国のワルツ」を聴いてみてほしい。